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津波対応型燃料タンク(HPT工法)
背景
東日本大震災により、気仙沼市内の造船施設及び漁船燃油施設が大きな津波被害を受けました。燃油施設においては、内湾の23基の内、高台にあった1基を除く全てが被災したことにより、湾内に燃油が流出する被害が発生しました。一方、多くのプレストレストコンクリート(PC)タンクも震災に見舞われましたが、調査の結果、ほとんどのタンクが全くの無被害でした。また、仙台港では、PCタンクの高さを超えるほどの津波を受け、外壁にはコンテナが衝突したと思われる傷もありましたが、タンクの機能は維持されていました。
このことから、気仙沼燃料タンクの再建に着手するとき、地震と津波に強いPCタンクが参考にされました。再建された燃油タンクは、鋼製タンクの周囲をPC製の防護壁を設置した構造で、津波や漂流物の衝突に耐える国内初の「津波対応型燃料タンク」となっています。
特徴
- 地震・津波に強い
円筒形プレストレストコンクリートタンクの耐震性と、その自重を活かし津波に流されない - 外部からの衝撃に強い
漂流物(木材、コンテナ、船など)の衝突に対して強い - 火災に強い
周囲で火災が発生しても延焼しにくい - 利便性
配管方法、給油方法などは従来の鋼製タンクと同じ - 日本初の実績
地上式燃料タンクにおいて鋼製タンクにPC壁を巻く日本初の工法